今回の話し手 大澤麻衣さん
アソマナボ代表&プロデューサー
・アパレルデザイナー/ディレクター
・ファームプロデューサー/キッズコンテンツディレクター
CM制作会社TYO勤務後、写真家活動をしながら、株式会社PRANKNUTS(プランクナッツ)(https://pranknuts.com/)を設立。子ども服の世界へ。
現在は、オトナとコドモ向け4ブランドのデザイン、ディレクションを手掛けている。
2018年「カラフルな居場所」「面白いオトナとの出会い」を創ることをテーマに、
クリエイティブな習い事施設ASOMANABO(アソマナボ)(https://asomanabo.com/)を世田谷区下馬にて起業。スクール事業に続き独創的なナビゲーター(講師)や個性的なコンテンツのプロデュース事業、PRを開始。
ありのままの個性を発揮できる居場所をつくりたい
あっきーアソマナボを始められた経緯、きっかけはどのようなことでしたか?
大澤麻衣さん(以下、大澤)私には、3人の子どもがいますが、皆それぞれ個性を持っています。例えば、勉強ができることや、自分がやりたいことに対してまっしぐらに突き進めることなど、様々な個性がミクロ単位でたくさんあると思います。
ですが、所属している学校など、限られた一律の学びを行っている場所では、団体行動が得意な子や偏差値の高い子が評価されてしまうことが多く、そうした状況に寂しさを感じました。そのため、子どもたちそれぞれの個性を大切にできる、他にはない愛とクリエイティブに溢れた場所を創りたいと思いアソマナボを始めました。
あっきー学校などでは、評価対象として成績や能力が目立ち、どうしても子ども1人1人の個性に目が行き届かないなとは感じています。
アソマナボに来られる保護者の方は、どういう思いを持っている方が多い印象ですか?
大澤もちろん様々な方がいますが、私と同じように、「とても素敵な個性やこだわりがあるのにそれを発揮できる場所がない」「子どもの個性をもっと伸ばしてあげたい」と思っている方が、塾やスイミングやバレエといった今までの習い事にはない場所として興味を持ってくださる方が多い印象です。
個性に寄り添うプログラム運営
(教室の一コマ)
あっきーアソマナボには、例えばどのような講義があるのでしょうか?
大澤様々な講義があるので、あくまでサンプルの1つではありますが、オーダーメイドのアートスクールという子どもたちのやりたいこと、なりたいものをかなえる「アートデザインラボ」があります。最初の基本プログラムとして、自分がなりたいものを絵で描いて、なりたいもののコスチュームを様々な材料を用いてつくります。その後、背景となる家をつくり、コスチュームを着て合成写真を撮ります。
基本プログラムを終えると、子ども自身の希望に合わせて、例えばYouTube工作をつくったり、ファッションショーを開催したりなど、子どもの個性に寄り添いながらアート活動をする教室です。6ヶ月間の講義ですが、写真合成の勉強やプレゼン発表なども含んだ内容になります。
あっきー子どもたちの個性が活かされるようなプログラムだと感じました。
大澤子どもたちの個性を活かせるように、講師たちは伴走するイメージです。「あれをやりなさい」「これをやりなさい」という押し付けではない学びを提供しています。
あっきーなかなか自分の意志を表に出せない子どもたちもいらっしゃるかと思います。そういう子どもたちと接する上で心掛けていることなどはありますか?
大澤私自身は講師ではありませんが、お呼びする講師にはこだわりを持っています。「愛とクリエイティブな観点を持って子どもに伴走できるか」「子どもたちの個性を活かせるか」ということを、一人ひとりとお話を重ねたうえで判断し、講師として参加いただいています。子どもの個性や特性を自然に受け入れて、寄り添いながら子どもの個性を発揮させている講師が多いと思います。
あっきー講師の方がカリキュラムを組みたてる時はどのようなサポートをされているのでしょうか。
大澤細かいことを言えば色々ありますが、「子どもたちの個性に寄り添うこと」を前提とした上で、講師が提供したい学びをプログラムに落とし込むサポートを行います。
子どもたちの今の時代の性質や特徴などを加味したうえで、「こうした方が良いのではないか?」といったことをお伝えしています。あくまで、運営として行っていただきたいことをお伝えしますが、各講師の教室になりますので「これをやってください」などの押し付けはしません。
「共感」と「思い」を起点として居場所を広げたい
あっきー今後の展望を教えてください!
大澤今は教室運営が主なのですが、学びをもっと外に出していくことをしていきたいですね。私たちがディレクションを行い、様々な事業者と講師がコラボして、一緒にポジティブな課題解決をしていけたらと思っています。
例えば、PRに課題感を持つレストランがあるとします。子どもがサービスを提供する子どもレストランイベントをつくって、子どもたちに「料理の作り方」や「レストランで働くとは」などの学びをシェアする。一方で、レストラン側はそういった活動についてSNSなどで発信することで、ファミリー層を誘致したり新たなPR活動につなげる。こういったお互いにハッピーが生まれるような課題解決や取り組みができたら面白いと思います。
あっきー事業の課題解決と子どもの学びをつなげていくイメージですね。
大澤はい。また、今のアソマナボは「面白い大人と出会う」「カラフルな居場所をつくる」ということが取り組みの軸ですが、大人や子ども、業種なども限らずに様々なジャンルが混ざりあい、尊重し合うことで面白いことが生まれる。そんな場所を、同じ想いを持つ仲間と創りたいと思います。
あっきーありがとうございます。最後に、SETAGAYA PORTメンバーとの理想の関わり方について教えてください!
大澤「子どもたちに活動場所を提供したい」「子どものために何かしてあげたい」など活動への共感や思いが重なる人と関われたら嬉しいです。
今は世田谷区の下馬にある小さな場所で活動をしているのですが、課題点として、場所がコンテンツの多さに追いついていないところがあります。 例えば、「庭を貸すので農作業の授業をしませんか?」「レストランを貸すので料理教室をしませんか?」などといったお声がけがあれば嬉しいです。
アソマナボの講師は皆、講師が専業ではありません。本業はデザイナーだったり、手芸講師がプロダクトデザイナーであったりと様々です。ただ、「子どものために何かしたい」と思ってくださることは共通していて、そういった方が仕事の学びをシェアしてくださるということが、子どもが将来を創造しワクワクするために必要だと思っています。
一人ひとりの力は小さくとも、思いや力が集まって大きく広がれば、子どもたちの居場所が出来て、子どもたちだけでなくそれに関わる人たちもハッピーになっていくと思うので、そういうハッピーが広がっていけたらと思っています。
(文:コミュニティマネージャー あっきー)
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