今回の話し手 中垣舞香さん

1992年世田谷区に生まれ世田谷区で育つ。小学生の時にカンボジアで日本語を教えている方の話を聞き、「自分の力が誰かの役に立つのであれば活かしたい!」と思い、大学で保健体育の教員免許をとり、青年海外協力隊としてモルディブへ体育を教えに派遣される。
帰国後、発達障害についての知識を得ながら子どもたちの近くで働きたいと考え、障害児通所支援施設で勤務し始めた。現在5年目。十人十色を日々感じながら、子どもたちができるようになった姿が一番のやりがい。

モルディブでの原体験が、福祉領域への興味につながる

あっきー自己紹介をお願いします。

中垣舞香さん(以下、まいかる)大学を卒業してから、青年海外協力隊としてモルディブに2年間滞在し、現地の方に体育を教えていました。
その時の経験がきっかけで、現在は児童発達支援と放課後等デイサービス事業を運営する企業で働いています。

あっきーありがとうございます。いまの会社に就職された経緯を教えてください。

まいかる現地で自閉症の子どもと出会ったことがきっかけです。その子はスマホが好きだったのですが、例えば先生たちがその子を立たせたい時などに、スマホをぶらさげて行動を促している光景をみて違和感を感じたことがありました。 この経験から、福祉領域に興味を持ちました。

大学では体育専攻で、福祉を学んだ訳ではありませんでした。そのため、発達障害について勉強ができることや、元々子どもが好きだったこともあり、子どもが多い職場で働けることを重視して就職活動を行い、気付いたらいまの会社に入社していました。

(現地の方に体育を教えていた様子)

あっきーモルディブでの経験がきっかけなのですね。いま子どもたちを支援する中で、まいかるさんが心掛けていることなどはありますか?

まいかる自身で気をつけていることは、「子どもたちに寄り添う」ことかなと思います。子どもたちからは先生と呼ばれますが、上から目線で接したりせずに、あくまで年上のお兄さんやお姉さんのような関係性であったらいいなと思って接しています。


(ART WALL PROJECTで子どもたちと一緒に作ったたくさんの鳥たち)
参考:https://setagayaport.jp/setagaya-social-labo

福祉の知識を活かして、協働プロジェクトに取り組む

あっきーお仕事もかなり充実されているように感じますが、SETAGAYA PORTにはどういう経緯で参加されたのか教えてください。

まいかるきっかけとしては、InstagramでSETAGAYA SOCIAL LABO(※)のメンバー募集の広告を見たことです。デザインがとてもキャッチーで可愛いなと思ったところから興味を持ちました。
また、LABOのテーマの1つである「インクルーシブ」の領域が、今の仕事に近しいと思ったことと、仕事場以外にも目を向けたいなと思っていたことも大きかったです。
今の職場で4年間働いているので、その知識を生かして、誰かのお手伝いができたらと思っていました。

(※)SETAGAYA SOCIAL LABOとは…
地域や社会の課題を学び、世田谷からできることをみんなで考える実践型のプロジェクト
参考:https://setagayaport.jp/setagaya-social-labo

あっきーLABOでは具体的にどんなことに取り組まれているのでしょうか。

まいかる世田谷福祉作業所(参考:https://setagayaport.jp/voice/interview7)とLABOメンバーと一緒に、作業所を利用されている方々の未来の選択肢が増えるようなプロジェクトを進めています。
全体的に明るい雰囲気で、福祉分野とは異なる領域で働いている方もいらっしゃるため、視点も偏りすぎないバランスの取れたメンバー構成になっています。

あっきーまいかるさんにはプロジェクトのリーダーを担っていただいていますが、プロジェクトの具体的な目標や進め方、意識していることなどを教えてください!

まいかる2021年度の間にかけて、施設の利用者さまと一緒に音楽作りを行いたいと思っています。福祉作業所での活動前や、併設している「しあわ世のもりあわせ」というカフェに訪れた方など、聴いた人たちが、「よし!がんばるぞ!」と思えるような1曲を作るべく、音楽の制作過程を体験できるワークショップ等の実施を予定しています。
まだ検討段階ではありますが、利用者さまが音楽に合わせて体を動かせるような体操などを取り入れることも考えています。

進め方としては、週に1回約1時間の頻度で定例会を開催し、進捗共有や意見交換を行っています。LABOメンバーに「つまらないな」「活動が活発でないな」と思われないように、こまめに定例会のお知らせであったり、活動に関わるニュースなどを情報共有したり、活動が活発に動いているよということを示しています。

あっきー気遣いが伝わってきます(笑)。いつもありがとうございます。
リーダーの役割以外で「この領域でプロジェクトに貢献したい」ということがあれば教えてください。

まいかるやはり仕事で培った福祉領域への知見や、大学で学んだことは直接的に活かせるのではないかと思っています。例えば、障害を抱える方にも分かりやすいプログラム構成や進め方を考えたり、大学で専攻していた体育分野の知識などは活かせると思います。

あっきー今後のプロジェクトへの関わり方がすごく楽しみです!まいかるさんの今後の展望などはありますか。

まいかる現行のプロジェクトもまだしっかりと形になっていないので、どう広げていくか見えない部分もあるのですが、こうした取り組みを通じて、世田谷区や福祉作業所のアピールにつながれば良いと思っています。

多様なメンバーが集まるSETAGAYA PORTだからこそできる、世田谷区や福祉作業所の認知拡大を、今までになかった手法でやっていけたら魅力的だなと思います。

あっきーありがとうございます。今後の展開も楽しみにしています!

(文:コミュニティマネージャー あっきー)